最近のワイドショーでは良く食の安全の話が出てきます。輸入の食料にかなりの割合で依存している日本ですが、今後、お花も輸入に頼る時代が来るかも知れません。原油の高騰により、身の回りの物の多くが値上げされ、漁師さんが休漁しているようです。実はお花の生産にも多くの重油が使用されています。お花の生産は大きく分けて暖地と呼ばれる秋から春まで暖かい地方と、高冷地と呼ばれる春から秋にかけて涼しい地方に別れていて、冬場の生産には暖地であっても重油を使用し暖房をしなければ生産できない地方がほとんどです。生産者によっては重油の使用量を減らすために、冬からの出荷量を減らすようです。ですから今年の冬はお花が高騰するなんて事が起こるかもしれません。
欧米では多くの国々が自国での花の生産ではなく、東南アジア・中南米・アフリカなどから輸入された花を使用されていて、日本でも最近多くの輸入の花が市場でも取引されるようになってきました。以前、輸入花は品質も悪く粗悪品として扱われていましたが、近年では品質も良くなり、場合によっては国産品よりも高値で取引されることもあります。輸入される花類は、バラ・カーネーション・菊・ユリ等の花モノと、ドラセナやレザーファン等の葉モノです。葉モノに関しては、すでに多くが東南アジアなどからの輸入がほとんどで、国内産を探すほうが難しいくらいです。
このまま原油高が続いてゆくと、減産ではなく休耕、転作、廃業する生産者が増えて、国産品が少なくなり、輸入切花に頼る日がくるかもしれません。5年後・10年後には生花店でこのような会話がされているかもしれません・・・。「お客さん今日は良い国産のバラが入荷しましたよ!」