七草の話

nanakusa

一般には1/7までが松の内ですね。正月、三が日、松の内と言葉がこんがらがってしまいますが、正月とは旧暦1月のことをいいます。よって1月いっぱいは正月と言っても間違いではないよです。また三が日は1/1,2,3で法定外休日=祝日と同じ扱いです。そして松の内は12/13から1/7(地域によって違います)なのです。

もともと松の内は1/15までということだったらしいのですが寛文2年に幕府によって1/7で正月飾りおさめ、というお達しが江戸城下にあり、それ以来1/7までを松の内としたとのことです。当時どんどん焼も禁止になっていることから火事の防止が目的だったようですね。

さて今日1/7「人日の節句」
「人日」とは五節句の1番目の節句で、陰暦1月7日のことをいいます。この日の朝、七草粥を食べて1年の豊作と無病息災を願います。

日本には古くから年の初めに雪の間から芽を出した若菜を摘む、「若菜摘み」という風習がありました。また「若菜摘み」とは関係なく、平安時代には、中国の年中行事である「人日」(人を殺さない日)に作られる「七種菜羹〔ななしゅさいのかん〕(7種類の菜が入った吸い物)」の影響を受けて、7種類の穀物で使った塩味の利いた「七種粥」が食べられようになったそうです。

その後、「七種粥」は「若菜摘み」と結びつき、7種類の若菜を入れた「七草粥」になったと考えられます。江戸時代には幕府が公式行事として「人日」を祝日にしたことで、「七草粥」を食べる風習が一般の人々にも定着していったそうです。

旬の生き生きした植物である七草を粥にして食べれば、自然界から新たな生命力をもらえ、無病息災で長生きができるとされていました。かつては、前日に野山で菜を摘み、年棚(歳神を祭った棚)の前で七草囃子(ななくさばやし)を唄いながらすりこ木でたたいたそうです。こうすることで、七草の力をさらに引き出すことができると考えられていたそうです。このように丁寧に細かく刻まれた七草粥は、正月のご馳走に疲れた胃腸をいたわり、ビタミンを補う効果もあります。お正月においしいものをたくさん食べた方はぜひ召し上がってはいかがでしょうか。

ちなみに七草は以下の通りです。

せり(芹)普通にセリです。
なずな(薺)ぺんぺん草です。
ごぎょう(御形)別名、母子草。
はこべら(繁縷)ナデシコ科の植物です。
ほとけのざ(仏の座)小鬼田平子。キク科の植物。
すずな(菘)カブのことです。
すずしろ(蘿蔔)ダイコンのことです。