台東区 浅草にお祝いのアレンジ花をお届けしました。
45053 台東区松が谷 (株)花恭 0338413583
年: 2018年
Christmasバルーンアレンジメント・御注文ありがとうございました。
お正月の門松のうんちく。
今年もいよいよ後二週間。花屋にとって最大の勝負所です。詰まってからは更新もできないと思うので今のうちにお正月系のうんちくをまとめて投稿しちゃいます。
まずは門松の話。お正月飾り、門松の起源は唐の時代の中国で、正月の「子の日(ねのひ)」に野山で小松を引き、千代を祝うと言う風習があったそうです。もともとは、平安貴族の遊びごとの「小松引き」が由来で、子供の長寿祈願が基になっているようです。
平安貴族の小松引きの行事で持ち帰った「子の日の松」はやがて家族の長寿祈願のために門前に飾るようになりました。
現代まで、この流れを受け継ぐのが関西地方では「根引き松」または「根引き若松」を白和紙で包んだものを立てる習わしです。
平安時代に起こった門松の習わしはこのように簡素なものだったのですが、やがて室町時代には本格的に広がり、青竹三本を中心に周囲を若松で囲い下部を竹やワラで巻いて仕上げる形状で屋敷の大きさにあわせて飾るようになりました。
この大型の門松は現在でも全国の銀行・百貨店をはじめ一部の住宅で飾られていますが、竹の先端部の形状は、斜めにソギを入れたものと、真横に切ったものの2種類があります。斜めにソギの入ったものを「ソギ」平らなものを「寸胴」と呼びます。
もともとは「寸胴」が門松の基本の形だったそうですが「ソギ」ができたきっかけは徳川家康の生涯唯一の負け戦として知られる「三方が原の合戦」で武田方に叩きのめされた家康は命からがら浜松城へ逃げ帰ります。追って来た武田軍は浜松上を包囲して新年を迎えました。新年の挨拶代わりに武田軍の武将の一人が嫌味な句を作って浜松城内に送りました。「松枯れて竹たぐいなき明日かな」松は浜松の松で徳川に、竹は武田にかけているのです。正月なのに縁起でもないと、激怒した家康が自ら門松の竹を切り捨てたのだそうです。やがて武田軍は引き上げ、徳川の武運が開けていきますが、運にあやかるように徳川側の武将たちはこぞって門松の竹にソギを入れたそうです。
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今日の大田市場は年に一度の松大市でした。
今日の大田市場は年に一度の松大市でした。これから年末にかけて必要な松を用意する大事な市なので花屋さんはみんな気合が入っています。当店もよい松をたくさん仕入れ、しっかりとお手入れをしてコンディションを整えて販売します。松って丈夫なので水につけとくだけでも何とかなったりするのですが当店ではいろいろな方法をとってよい状態で販売できるように手を入れています。
それでは年に一回、松のうんちくを。
おめでたいお正月には欠かせない植物です。太古の昔から地上に生息し苛烈な環境にも耐える常緑樹ですので世界各国の常緑樹信仰と同様に尊ばれてきました。
この「松」という名前の由来ですが、諸説いろいろあるようです。
若さを保つ=タモツ→マツ。
神様が樹に宿るのを待つ(まつ)。
葉が二つに分かれている=又→マタ→マツ。
まつ毛に似ている(まつ、げ)
いろいろありますね。
自分的に一番腑に落ちたのは「神が宿るのを待つ」から「祭る・祀る」→「松」です。世界中の常緑樹信仰を見るとこの説が自然ではないかと感じます。
漢字の松は木+公(つつぬけ)と書きます。針葉樹ですので葉が透けてみてるからなんでしょう。
写真は「蛇の目松」という葉に斑が入った松です。お正月のアレンジには大活躍で、主に洋っぽいデザインをする時の心強い味方です。
さて松といっても花業界では、いろいろな呼び方があって混乱するときがあるのですが、一般に花屋さんでお正月用に販売されている「若松」や「門松」、「根引き松」「からげ松」というのは、ほとんどが黒松という種類の松です。
皆様が花屋さんの店頭で見ることのできる松の種類は大別すると、黒松系、赤松系、五葉系、大王松ですが、前述のようにほとんどが黒松系ということになります。いけばなの花材を扱われている花屋さんにはもっといろいろな種類があるかもしれません。
同じ黒松系の中で用途に合わせて作られているわけですが、若松や門松は密集して植えられています。横に枝を張れないため上にスッと伸びて育っていきます。門松用は間隔を調整して大振りになるようにするようです。
また根引き松は間隔をあけて育てられるので姿かたちが変わって(振りがついて)育だちます。根が付いたままの状態で販売されているものが多いようです。
門松の記事でも記載しますが、唐の時代の中国で、正月の「子の日(ねのひ)」に野山で小松を引き、千代を祝うと言う風習があり、それが日本に平安貴族の「小松引き」という子供の長寿祈願の遊び事として伝播しました。その松を持ち帰り門前に飾るようになったのが門松の始まりといわれていますが、現在でもこの根引き松または根引き若松を白和紙で包んだものを立てる習わしが残っています。
またカラゲというのは仏花のことを指し、仏花に入れられるくらいの短く細い松のことをカラゲ松と呼んでいるようです。こちらは地域によっても呼び方が変わるかもしれません。
最後にこの蛇の目松ですが、赤松と黒松の両方に蛇の目松がありますが、我々が扱う蛇の目松のほとんどが赤松系だそうです。黒松蛇の目は珍しいんですね。花屋としてお正月は当たり前のように取り扱う「松」も調べれると奥が深くて面白いです。